ヘッダーロゴ 住まいの設計工房バウハウス 株式会社バウハウス/バウハウス一級建築士事務所
メイン写真

クルマと人、
そのどちらにも快適な趣味の砦


外断熱工法による徹底した気密性が、自然な空気の流れを生み出す


縄文時代中期から晩期に形成され、現在は国の史跡にも指定されている山崎貝塚遺跡を眼前に望む、陽当たりのいい高台にM邸は建っている。
「以前はここからさほど離れていない場所で暮らしていて、そこも気に入っていたのですが、
このロケーションの素晴らしさはガレージを作るいいきっかけになりましたね」。

ガレージには昔から憧れを持っていたというMさんは、住宅の設計・施工業を営む、いわば家づくりのプロである。
と同時に、これまで50台以上を乗り継いでいる生粋のクルマ好きだけに、一人の趣味人として理想のガレージを夢見ていたのだそうだ。
そんなMさんが、家づくりにおいて最も気を遣うのは気密性なのだという。
「現代の家には実は多くの隙間があります。それを補うためにエアコンを各部屋に取り付け、
こもる湿気により発生するカビを防ぐために防カビ剤を置くのが普通になっていますが、身体にいいはずがないし、経済的でもありません」。

そう語るMさんの家は外断熱工法を採用しており、まず基本骨格を固形断熱材で完全に覆い、気密性を高めた上で外壁を貼っている。
気密性が高いということは換気効率を高めることにもつながり、自然な空気の流れが生まれる。
事実、この家に設置してあるのは少し大きめのリビング用のエアコンが一つだけ。
それでも最も気温が上がる14時頃でありながら、不快な気温の上昇を感じなかったことをお伝えしておきたい。



庭を挟んで母屋の対面に建てられたガレージは、アカマツをメインに柱、梁を作り、そこにOSB合板が組み込まれている。
薄い木片を高温圧縮して形成されたOSBだけに、内壁に表情の違いを生み出している。
さらに屋根と床部分には前述の外断熱工法を採用してるので、外部との気温差が非常に少ないのが特徴だ。
ガレージと言うと、夏冬は中での作業にひるんでしまうほど辛い環境になることも少なくないが、
M邸のガレージにはそんな心配は全くない。乾燥させたストーブの薪も湿気を抑えるのに一役買っているのだという。


①ガレージ内はあえて木の風合いを残しており、それらが温度調節にも一役買っているようで、前年の冬も過剰に寒くはなかったと言う。

今後はロフトの計画もしているとのこと。
②「このくらいの量でひと冬分くらいかな?」そう語ってくれたMさんだが、乾燥が済んだ薪は、湿気や臭いも吸収してくれるそうで、木の素晴らしさを日々実感しているそうだ。
③数多くのクルマを乗り継いできたMさんの現在の愛車は、長距離移動用のジャガーXJ-Rと近距離ドライブ用のBMW Z3。近い将来別所で保管中のバイクもここに加わるのだろう。



また、ガレージの顔であるドアもM邸の注目ポイントだ。約5.5mの間口に設置されている横引きタイプのドアはオリジナルで製作されたもので、針葉樹合板の質感による適度な重厚感が落ち着いた雰囲気を作り出している。
現在収められているジャガーは長距離移動用、Z3は天気がいい日のドライブ用。
仕事柄工具や建材を運ぶことも多いだけに、ピックアップトラックも欠かせない道具のひとつだ。
また国産、輸入を問わず旧車にはデザインや機械としての魅力を強く感じると語ってくれたところを見ると、近い将来クラシックカーがガレージの主になっているかもしれない。

メンテナンスや日曜大工、コレクションを眺めたり友人と語り合ったりと、アクティブに使うことで、ガレージが持つ可能性はどんどん広がっていく。
だからこそ「いつまでもここに居たい」と思える環境でなければ、その魅力を存分に味わうことは難しい。
M邸の実例は「大切な時間を心地よく過ごす」というテーマへのひとつの解答と言えるだろう。



写真上:「ガレージだってスタイリッシュでありたい」このガレージをメインビジュアルに使用した「ガレージライフ」誌への弊社広告。
写真下:2016年、このM邸ガレージが「キリンのどごし生」のTVCFの撮影に使用されました。 > アーカイヴと撮影ドキュメント